【コラム】多汗症の治療【皮膚科】
2023.04.11
副院長の大橋です。本日は原発性多汗症のおはなしです。
原発性多汗症は手のひら、足のうら、腋(わき)といった場所からに過剰な発汗あみられる病気です。
日本では手で約5%、足で3%、腋で6%の方が多汗症と報告されています。
幼少期~思春期ころに発症し、手足は精神的緊張により多量の発汗がみられます。
症状の重い方では時にしたたり落ちる程の多汗が みられ、書類に汗じみができたり、握手をすると相手に不快感を与えたりすること、パソコン、携帯電話など電気機器の破損など、社会的苦痛を感じている方もいらっしゃいます。
今回当院では手の多汗症に対するイオントフォレーシス(デルマドライ®)、手足・腋窩に対する塩化アルミニウムの外用(パースピレックス®)を導入しました!
◆イオントフォレーシス療法(デルマドライ®)
イオントフォレーシスは液体中で通電することにより発汗量が減少することが報告されたのが始まりです。
電流を通電することにより生じる水素イオンが汗の出口を障害し、狭くさせることにより発汗を抑制するのであろうと考えられています。
治療開始初期には週1回の通院をしていただき、症状が落ち着いてきたら2~3週間おきの維持治療が可能です。1回の治療時間は10分になります。
なお、心臓疾患、てんかん、妊娠中の方などはイオントフォレーシスが使用できません。
◆塩化アルミニウム外用(パースピレックス®)
塩化アルミニウムは、角層内の汗管と結合し、発汗の出口を塞ぐことによって、汗を出にくくすると考えられています。
今回、当院では手足用、脇用の2種類を用意しました!
1日1回夜の外用で効果は2~3日続くと言われています。
その他、ワキの多汗症につきましては ボトックス治療、ミラドライなどもご用意しております(自由診療になります)。
手汗・脇汗でお困りの方は是非当院にご相談ください。
副院長 大橋洋之(皮膚科)日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
診療日 月・火・水・金・土(午前のみ、5月より1,3,5週は終日)