わきが
多汗症の原因と治療法
汗は、通常体温の調節のために必要に応じて出てくるものですが、
多汗症は体温調節に必要な範囲を超えて多量に汗をかいてしまう症状のことを言います。
わきや手のひらに汗を多くかいてしまうことで、汗ジミになったりベタつきを感じることから、治療の対象とされています。
意志の力で止めることの出来ない汗なので、様々な治療法が試みられてきました。
わきの多汗症に手術療法は効果がなく、現在ではミラドライとボトックス注射がわきの多汗症に最も有効とされています。
中でもミラドライはアメリカFDAの承認を受けている唯一の多汗症治療法であり、
効果も半永久的なことから世界で広く行われている信頼のおける治療といえます。
日本国内での症例も多く、安全で効果の高い治療法です。
手のひらの多汗症はより治療が困難です。
ボトックス注射・水道水イオントフォレーシス治療・神経ブロックなどがありますが、
当院ではリスクが低く自宅で継続的に治療ができる
「パースピレックスローション治療」を推奨しています。
わきがの原因と治療法
わきがのニオイの原因は、アポクリン腺という汗腺です。
アポクリン腺はわきや陰部に多く存在しますが、
アポクリン腺が発達している人は特有の体臭がすることがあります。
これは「腋臭症(わきが)」と言われ、体臭の少ない日本人の中ではやや気になることが多いようです。
遺伝することも知られており、親子で腋臭症というのは珍しいことではありません。
腋臭症(わきが)を治療するには、臭いの原因となるアポクリン腺を無くす必要があります。
過去には、わきの皮膚を切り取るという乱暴な手術が行われていた時代もありましたが、
現在ではまず皮膚を切り取ることはありません。
皮膚を切開して、皮膚の裏側からアポクリン腺を切除したり削りとったりする方法が多く開発され、
比較的安全に腋臭症(わきが)の治療ができるようになってきました。
しかし、手術的な方法ですと、術後に血が溜まってしまう「血腫」や突っ張ってしまう「瘢痕拘縮」のリスクを完全に避ける事は出来ず、
また術後の長期間の圧迫固定が必要など、
手術を受けるタイミングが難しく治療のハードルが高かったのです。
近年、ミラドライという新しいマイクロ波を使った治療法が登場しました。
ミラドライでの治療は短時間で終了し、
術後の固定も不要で合併症が少ないなどの利点があり、
腋臭症(わきが)でお悩みの方にとって第一選択の治療法となりつつあります。
ミラドライによる多汗症・腋臭症(わきが)の治療
ミラドライは、マイクロ波を照射して皮膚を切ることなく多汗症・腋臭症(わきが)の治療が可能なマシンです。
皮膚に照射されたマイクロ波は、多汗症のもととなるエクリン腺や腋臭症(わきが)の原因のアポクリン腺に十分な熱ダメージを与え治療します。
皮膚を吸引しながら治療するためヘッドが浮いてしまうなどのトラブルもなく、高性能な冷却装置のお陰でやけどのリスクもほぼありません。
1回限り使用の先端チップを使用するため、衛生面も問題なく、安心して治療をお受けいただけます。
ミラドライは、手術のデメリットをすべて克服した安全で効果の高いわきが治療で、全世界で広く行われています。
ボトックスによる多汗症・腋臭症(わきが)の治療
ボトックス(ボツリヌストキシン)は、
わきに注射することで交感神経から汗腺へ汗を出す信号がブロックされるために、汗をほぼ完全に止めることが出来ます。
ボトックスは、多汗症の原因となるエクリン汗腺から出る汗も、
ニオイのもとになるアポクリン汗腺から出る汗も両方制御することが出来ます。
効果の持続期間は3~6ヶ月間です。
各治療の比較
ミラドライ | ボトックス注射 | 手術 | |
---|---|---|---|
効果 | 半永久 | 3~6ヶ月 (個人差あり) |
半永久 |
傷跡 | なし | なし | 残る |
治療時間 | 両側で1時間程度 | 約15分 | 片側1時間程度 |
ダウンタイム | 1日程度 | なし | 1週間程度 |
※ダウンタイムとは日常生活に支障が無いレベルへの回復期間のことです。
施術の流れ(ミラドライ)
- 01カウンセリング
- あらおクリニックの経験豊富な医師により、多汗症・腋臭症(わきが)の症状の程度を診断します。
その後、最適な治療法をご提案します。治療についてのご不明点は何でも相談してください。
その後、施術日程を相談して決めます。ご都合の良い日をご予約ください。
診察当日は脇に何もつけずにお越しください。消臭化粧品、制汗剤等もお付けにならないようお願いいたします。
- 02マーキング
- 施術の2日前に脇の毛を剃っていただきます。
安全に効果的に施術するため、脇に発汗する範囲をマーキングするためです。
- 03麻酔
- あらおクリニックの医師は形成外科専門医のため、手術経験が豊富です。
麻酔の際も、最も痛みの少ない方法で行います。十分に麻酔をすれば、もう痛みはありません。さあ次は施術です。
- 04照射
- ミラドライでの施術はとても楽です。
マーキングされた範囲にミラドライのハンドピースを当て、順番に治療していきます。
照射時間は両脇で通常40分程度です。痛みが無いため、治療中に眠ってしまわれる方も。リラックスして治療をお受けください。
- 05術後
- 術後はよく冷却をします。自宅にお戻りになってからも、冷却を続けると良いです。
痛み止めを処方することも可能です。施術後の注意点など、詳しく書かれた説明用紙もお渡しいたします。
また、ご不安な際は院長直通のメールもございますのでお問い合わせいただけます。
しばらくは脇が腫れた感覚がありますが、学校やお仕事へ行くことは可能です。
Q&A
- ミラドライの治療のメリット・デメリットについて教えてください。
- ミラドライ治療の最大のメリットは、半永久的な改善効果がある治療にもかかわらず、術後の生活に制限がほとんど無いことです。
- 脇ボトックス治療のメリット・デメリットについて教えてください。
- 脇ボトックス治療は手軽かつ比較的安価に、高い効果を得られるのが大きなメリットです。
デメリットは、時間が経つと(3~6ヶ月)効果が切れてしまうということです。
そのため、効果を維持するために定期的に注射を行う必要があります。
- ミラドライは何歳から治療可能ですか?
- 体格が十分に発達していれば、中学生でも治療は可能です。思春期に入るとアポクリン腺は急速に発達しますので、ニオイが早期から気になる場合があります。
その場合でも、慎重に評価を行い十分にメリットとデメリットをお話した上でミラドライ治療を行う場合はあります(適切な時期までボトックス注射で症状を抑える場合もあります)。
未成年の方は、施術前のカウンセリングを親権者の方に同席して頂き、同意していただく必要がありますのでご了承くださいませ。
- 脇ボトックスは何歳から治療可能ですか?
- 特に制限はありませんが、一般的には中学生から治療が可能です。
- わきが・多汗症の治療法の中でどれが一番良い治療法ですか?
- それぞれの治療法にはメリットとデメリットが有るため、一概にどれが一番とお答えすることは出来ません。
経験豊富な医師とのカウンセリングの中で最適な方法を見つけていきましょう。
- ミラドライの治療の後、汗腺はどうなりますか?
- ミラドライによる多汗症・腋臭症(わきが)治療の後、一度ダメージを与えた汗腺は再生しません。
- 脇ボトックス治療の後、汗腺はどうなりますか?
- 脇ボトックスによる多汗症・腋臭症(わきが)治療の後、時間が経つと再び働きを取り戻すようになります。
- 腋臭症(わきが)は遺伝すると聞きましたが、本当ですか?
- 腋臭症(わきが)は同じ家族の中で遺伝します。その確率は80%程度と言われています。
料金
ミラドライ | |
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両ワキ 1回 | ¥385,000 |
ボトックス | |
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両ワキ 1回(80単位) | ¥60,500 |
施術時間 | 約1時間 |
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メイク、入浴等 | シャワー:当日より可。 |
麻酔 | 必要(注射による局所麻酔) |
経過・来院など | 不要 |
潜在的副作用 | 腕のしびれ、熱傷、再発の可能性あり。 施術部位の腫れは多くの場合1週間ほどでおさまります。 肌にピリピリと刺激を感じたり赤みがでることがあります。 施術中異変を感じた際はすぐにお申し出ください。 |
国内承認番号 | 23000BZX00161000 (JMEC) |